フルサイズミラーレス大戦の幕開け 或いは、電子シャッターは布幕の夢を見るか

SONY α7Ⅲ、7RⅢ、Nikon Z 6 、Z 7、Canon EOS Rとひとしきりフルサイズミラーレスが出そろった。本稿ではスペックを比較して方向性をさぐってみたいと思う。こちらがその比較表である


念のため同表のSpreadSheetへのリンクも添付する。こちらである。
カメラ比較

個人的な所感をいくつか記載したい。

・シャッター
意外なことにα7系がストロボ同調が1/250、ニコンキヤノンは1/200である。最高シャッター速度は1/8000で同一だがストロボ同調が遅いと電子先幕シャッター使用時のボケ欠けに注意が必要になる。ニコン機は一部モードでしか有効にならず、しかもシャッター速度が同調速度を上回ると電子先幕がオフになる、というような仕掛けがレフ機にはあったと思っている。ところでキヤノン機は基本的に電子先幕しないがライブビュー時のみ電子先幕が有効になる。キヤノンは低減する特許をもっているがボケ欠けを気にする場合はシャッター速度に気を配りたい。

・EVF
倍率は各社ごと、素子はα7Ⅲ以外同じ…かにたような性能のEVFを採択しているのだと考えられる。筆者はEOS Rは見ていないが、ニコン Z系は芳醇な光学系とリソースをかなり吸っている表示回路系の合わせ技でZ 7のEVFなどはかなり好ましく感じた。

・ディオプター
本当にこの表記あってる???? 数値上はα7系がよさそうだがどういうことだろうか。実使用上は筆者は近眼だからか? あまり恩恵を受けた気がしていない。

・動画撮影
動画撮影についてはビットレート数だけで言えばEOS Rの独断場ではないだろうか。なんせALL-Intraで480Mbpsの凶悪なデータ量を生成できる。1DXmk2とかと同様の機能だ。プロ向けの機能であまり民生向けではない気がするが、必要とする人はいるだろう。
一方画角面でみるとクロップが必須このあたりは先達のαEの後塵すら拝している。当然Z 7は上を行っている。キヤノンは伝統的に一眼カメラでの動画に対し最先端を行かないので妥当なラインだが、如何にAPS-C程度はカバーすると言ったところでこれであればMicroFourThirds陣営の各種カメラで"既に実現できている"内容ではないだろうか。
本稿は後で追記する可能性がある。

総括として、α7Ⅲは中級よりちょっと上、α7RⅢは中~上級向けとなっているがニコンもキヤノンも本質的にはそのレンジの製品としてすら出しておらず、ハイアマ機、およびプロ機としての2社のミラーレスはまだこの後に出てくるものと考えられる。根拠はバッファサイズやカードスロットの数、及びダイヤル数や配置をその根拠と考えている。テストヘッドとして、ニコンはややハイレンジ側の製品を、キヤノンは6Dクラスの製品としてそれぞれ製品を送り出したのではないだろうか。各社市場の反応から次の手を考えるか、あるいは怒涛の製品発表で現況を覆すのか。
いずれにせよ市場が活発になって1カメラユーザーとしてはうれしい限りである。願わくば、楽しい感じのカメラが市場に溢れるといいと思っている。

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